PSYCHO-PASSを通して考える、システム的な「判断」について

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こんにちは。かねしろ@pinkrootです。

今更ですが、あけましておめでとうございます。
本年も良い塩梅な一年になるように努めていきますのでよろしくお願い致します。

突然ですが、
週末にPSYCHO-PASSを一気観しました。
一期・二期ともにGYAO!で放送しているということで。

以前から会社先輩や、高専時代の後輩に強く勧められていたので気になっていたのですが、見始めてみるとこれが非常に良い作品で。

ということで軽く感想などをブログに書こうと思って久しぶりに筆(?)を取りました。
ネタバレ的な要素を含むので未視聴の方はご了承ください。

個人的にすごく刺さったのは「正義か悪か」というテーマではなく、「システムとして1事象をどう捉えるか」という点です。

1期における「免罪体質者」の存在
2期における「認識できない者」存在、および個体として捉えたときと集団として捉えたときの評価差異

PSYCHO-PASS中では免罪体質者、つまり通常の判定では誤った結果を導いてしまう存在についてはシステムそのものに取り込むことで「システムをアップデートする」という対応をとっていました。

また、複数名の合成ということで「個として認識できない」存在については「集団」と捉え直すことで判定を行いました。
加えて、「集団」に対しても評価を行うというロジックを追加したことで自己参照を行い、システムの一部を自己破壊するという「アップデート」も行われました。

この辺りのシステムとしての動作、およびその評価対象である登場人物達の感情の揺れや行動の変化が
「完璧なシステムとは何か」
「人工知能とは何か」
「機械と人間の違いは何か」
「誰が何を持って正しいと判定し、その判定を享受する者はどう受け入れればいいのか」
という問いを投げかけてくることで、PSYCHO-PASSを哲学的側面を強く持つSFとして非常に良質な作品へと仕上げていたと感じました。

それを抜きにしてもドミネーターやサイボーグ、ドローンなどロボットSF好きの心を上手い具合にくすぐるってくるいい作品ですが。
特にぐっと来たのは「ホログラムと椅子の実物を重ねることで座れるようにする」という設定。
未来の科学技術で部屋の模様替えは瞬時にできるようになれど、触ったり座ったりできるのは昔から変わらず「実物」なのね、と。
いくら見た目が良くなっても、ちゃんとした椅子を買わないと座り心地とか悪いままなのね…

話が少しそれましたが、
プログラミングを行いシステムを構築する者として、
「変化にどう対応するか」
「イレギュラーにどう対応するか」
「判定するスコープをどうするか。また、異なるスコープの際に判定結果が異なった場合どう判断するべきか」
というのは非常に難しいテーマでもあるわけです。

例えば遺伝的アルゴリズムとかでガチャガチャ遊ぶだけでも上記問題には直面します。
どういう条件でその時点のロジックを評価するのか、進化(世代交代)をどういう粒度でどう行っていくか。などなど。
ただ、遺伝的アルゴリズムの場合は評価基準が明確に設定されるべきなので、PSYCHO-PASSのように「何が正義か」といった問題が絡む事象とは同列に語れませんが。

勝ち続けていたシステムトレードのロジックが、リーマン・ショックのようなイレギュラーなイベントによって大損してしまうように、システムとはイレギュラーに弱いものです。
だからといってシステムが人間に劣っているとは単純に言いがたい。人間でもリーマン・ショックで大損している人が大半ですし。
情によるブレがないシステムと、情によって自身がイレギュラーなアクションを起こす人間とを比較したときに、どちらが変化やイレギュラーに強いのか。

また、行動心理学などでも研究されているように「個」のときと「集団」のときで振る舞いを変える人間という存在について、
システムは「同一人物」と判定することができるのか。あるいは「同一」と判定することに意味があるのか。

哲学的テーマとしての「正義とは何か」「他者による評価をどう受容するか」「個とは何か」という問いと、
上述したような「システムとしてどう評価を下し、またそのルールを改善していくか」「最上のシステムとは何か」というシステムに関する重要な問題。

これらが非常に美しくブレンドされ、かつダークな世界観でラップされたPSYCHO-PASSはそりゃもう良い作品なわけです。

何が言いたいかというと、みんなもPSYCHO-PASS観たほうがいいよ。ってことだけなんですが。

おしまい

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コメント

  1. @iguchi1124 より:

    サイコパスは確かにおもしろいですね!映画までみました。
    ちなみに高専在学4年のRubyプログラマやってる者です笑

    1. pinkroot より:

      久しぶりのコメントなので全く気づかなかったです…

      サイコパス面白かったですねー。
      人物描写やストーリー展開はそこまで斬新ではないという印象ですが、
      システムに支配された世界観、およびその世界における例外という切り口の描き方が鮮やかでしたね。
      あまりアニメは観ないのですが、サイコパスは一気に観てしまいました(笑)

      rubyも面白いですよねー。
      普段使いしているだけでオブジェクトとは何か、を感覚値として身に付けることができる素晴らしい言語だと思いますー

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