こんにちは
かねしろ@pinkrootです。
イマサラシリーズ第3弾。
全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)で全国2位を獲ってきたはなし。
高専プロコンとは
高専プロコンとは、全国各地に点在する高専に通う学生(1年生から専攻科2年生まで)を対象としたプログラミングの大会です。
3つの部門があり、
- 競技部門
- 自由部門
- 課題部門
となっています。
各部門についてざっくり説明します。
「競技部門」は与えられた問題に対する解答プログラムを作成し、その性能・精度を競う部門です。
今回は机の上にばら撒かれた大量のサイコロを数える、というのがテーマで、ほとんどの高専(沖縄も含む)がOpenCVなどを用いた画像処理を駆使して精度を競っていました。
「自由部門」はその名の通り自由で、自らでテーマを設定し、企画し、開発したシステム・アプリ・プログラムを持ち寄って披露しながら戦う部門です。
審査はデモ審査とプレゼン審査の2つが行われ、
- テーマ設定(問題定期)
- 解決策の提案
- プレゼンの技術
- 開発力
- 完成度
などをもとに評価がされます。
私は去年この部門に参加し、「Microsoft社のKinectの前でエアギターをすると、PCモニタ上ではAR技術でギターの画像が表示され、実際に音もなる」というシステムを発表しました。
結果は「日本Microsoft社賞(企業賞)」の受賞となりました。
最後に、「課題部門」について。
これは自由部門に近いのですが、「テーマが与えられている」という1点が異なります。
今年のテーマは「ICT技術でサポートする明るい少子高齢化社会」でした。
今回出場したのはこの部門。
本当は自由部門で自由にやりたかったのですが、指導教官から「ピンクはいつも自由過ぎる。たまには決められた枠の中で戦え」という指示をうけ、この部門で出場することになりました。
チームメンバー
今回は私を含めて8名での開発を行いました。
いつも一緒に開発している@higumachan725をはじめ、@Fokker_50, @chokonomaru, @norimoto1225, @tanishi345, @XxxVr, @harukin0213というメンバーです。
専攻科2年生が1名(私)、本科4年生が3名、1年生が4名という構成です。
解決したかった問題
私達が解決したかった問題は「デジタルデバイド」と呼ばれるものです。
若者がインターネットを自由に使って好きなだけ情報収集ができるのに対し、高齢者の方々はリテラシーが十分とは言えず、新聞に頼り切りになっているという現状が国の調査によって明らかになっていました。
それを目にした私たちは
「これは解決せねば。そうしないと祖父母と孫の会話が成り立たないという問題が発生してしまう。このままだと暗い少子高齢化社会やで!」
と思って企画・開発に着手しました。
作ったもの
作ったシステムの名前は「ShinBunet」といいます。
新聞とネットの融合を目指したもので、新聞記事に手をかざすと、自動的に関連情報をネットから収集し、お手元のiPadに「新聞風のレイアウトに整形したうえで」表示をする、というものです。
この日経
の「タイトル」に手をかざしてしばらくすると、ipadに
が表示されます。(画像はクリックすると大きくなります)
これがあればキーボードなんか使えなくても、インターネットも意識しなくても情報収集をすることができます。
しかも個人ブログやtwitterからも情報を収集してくるので、より「若者に近い発想」に触れることができます。
技術的な話
がっつり書いても仕方がないのでざっくりと。
- 新聞の上にウェブカメラを設置し、それでキャプチャしたり諸々やります。
- プログラムで肌色検知したりタイトル部の識別をしたりもします。
- OpenCV使ってます。
- タイトル部の識別はボカシ処理と矩形認識。
- キーワード検出はevernoteのAPIを使ってます。
- クローラはPythonで書かれていてサーバ上で動いてます。
− 記事の本文部だけスクレイピングできるようにXMLのサブセットを定義して利用しました。 - 収集した情報の被はてブ数・投稿日時を元に取捨選択をしています。
- 自家製ライブラリで新聞風のレイアウトに配置してpdf変換しています。
- iPadにpushで送信しています。
こんな感じですかね。
当日のプレゼン
システムの目的や技術的な話の詳細が知りたい方は、当日のプレゼンテーションが動画としてUstreamにアップロードされているので、そちらをご覧ください。
結果として
結果として、課題部門の2位を頂きました。
正直なところ優勝できると思っていたので悔しかったです。
また、同時にNICTさんからも賞を頂きました。
併せて来年3月に行われる起業家甲子園の推薦枠も頂きました。
優勝は逃しましたが、次に繋がった感じなのでまぁいいのかな、と。
後輩たちにしてみればいい実績を得たことになるので、うまく就職にでも繋がればいいなぁと思います。
最後に
応援して下さった方やチームメンバー、そして「賞獲ったなう」にイイネして下さった方々に感謝します。
本当にありがとうございました!