こんにちは
かねしろ@pinkrootです。
『坂の上の坂』を読みました。
とても読みやすく、それでいて内容が深い一冊でした。
ということで、読書記録。
「老後」の意味が変わってきている
平均寿命が長くなるに従って、『坂の上の雲』が書かれた時代とは「老後」という言葉の意味が異なってきている、という話には納得。
確かに60歳で定年迎えたとしても平均寿命まで20年以上ある。
その期間をどう過ごすか、そしてそのために、いつから、どのような準備をすべきか考える必要がある、というお話。
私は40歳からはボランティアや次世代育成な活動にシフトしたいと思っているので、更に深く考えていかないとダメですね。頑張ります。
会社以外のコミュニティの重要性
老後を楽しく幸せに過ごすためには会社以外のコミュニティと若いうちから関わっておく必要有りとのこと。
確かに仕事人間が退職後に行く当てなく家で腐っていくというのはよく聞く話。
欧米では協会がその役割を果たしているらしいです。
私の場合は、今のところOJAGなどの技術者勉強会や、主催しているPink-Devが拠り所になるんでしょうね。
ただ、来年から拠点が東京に移るのでそっちで再構築する必要が(笑)
協会の持つ意味
キリスト教に限らず、宗教は道徳教育に大して絶大な力を持つという話が書かれていました。
確かに、精一杯論理的に「〇〇することはダメです」という話をするよりも「〇〇すると天罰が下ります」って説明するほうが楽。脳に汗をかかなくても子供の教育を効果的・効率的に行えるというのは便利。いい意味で、両親の教養に左右されずに子供の道徳レベルをある一定まで高めることができる魔法の言葉。
特に面白いな、と思ったのが、
「欧米の子供たちは親とともに教会へ行き道徳を教えこまれ
大人になるに従って協会へ行かなくなり
子供ができると、今度はその子らを連れて協会へ行く」
という話。
そんな文化があるって、素敵ですよね。
日本だとどんな仕組みがこれに該当するんだろう。
組織 < 自分
まぁ言われてみれば当たり前なんだけど。
・「組織のため」でなく「自分のため」の時間をいくら確保できるか
・スキルを磨く時間をいくら確保できるか
・プライベートを充実させるための時間をいくら確保できるか
というのを考えながら動かないと、組織のために人生を使い、定年になったらそこから追い出される、というのは悲しすぎる。
最終的に何が自分に残るのか、という話。
無駄な組織内接待に時間を浪費する暇があればスキルを磨いて独立するために動いたり、などなど、そんなことが書かれてました。
捨てることの重要性
数年に一度、自分の地位やコネなどを全て捨ててみるのが重要らしいです。
そうすることで、また自分のレベルを上げざるを得ない状態を作りだす。
確かにそうでもしないとぬるま湯な人生になっちゃうかもしれないですね。
いかにして窮地を創りだしていくか、意識します。
昇進することの危険性
マネジメント側に回ると現場のことが分からなくなる。
現場のことが分からないと、次第に組織にとって不要な人材になっていく。
というのも、少し経てば現場の生え抜きがマネジメント側に昇進する機会がやってくるわけで、そうなるとつい最近まで現場で戦っていた生え抜きの方が会社にとっては重要な人材。つまり現場のことが分からなくなったマネージャーの価値というのはどんどん下落していく。
Let’s 損切り、的な。
恐怖。
ピーターの法則
昇進する度に限界が近づいてきて、「能力が追いつかない!」というところで昇進は止まる。全役職がこんな感じで「このポジションの仕事、中々回せない・・・」というような人材で埋め尽くされるようになると、組織としてガタガタになる。
という「ピーターの法則の法則」のお話。
組織って難しいですね。
などなど。
著者の経験に基づくリアルなお話が理路整然と書かれていました。
何度も繰り返し読む価値がある本だと思います。
ということで、近日中に読み返し予定。